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抑うつ状態とうつ病の違いは?

「うつ病」という言葉は、社会的にかなり認知されてきました。

そして、「うつ病」とはどんな病気であるかも、誤った情報もまだ多く含まれていると思われますが、かなり広く知れ渡っているように思われます。

これに対し、「抑うつ状態」という言葉についての認知度は、いかがなものでしょうか?

「抑うつ状態」とは「うつ状態」という語と同義ですが、医学用語としては、「抑うつ状態」という言葉の方が正式な用語として用いられているようです。

こういった中で、「抑うつ状態」と「うつ病」とはどのように違い、どのような関係にあるのでしょうか?

そこで、今回は、「抑うつ状態とうつ病の違いは?」ということについて、考えてみたいと思います。

 

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病院で「抑うつ状態です」と言われました。これは「うつ病」と言われたことと同じなのでしょうか?

うつ病 疑問

答えから申し上げると、”NO”いうことになります。
つまり、「抑うつ状態=うつ病」ではないのです。

「抑うつ状態」とは、状態を示す言葉であって、病名ではありません。

つまり、状態像を示しているに過ぎず、具体的に「抑うつ状態」とは、

  • 気分が落ち込む
  • 気力がなくなる
  • 悲観的になる
  • 食欲が低下する
  • 集中力や記憶力が落ちる

などの状態を示すものです。

これらの状態を示すものが、”「=うつ病」”とは限らないのです。

○○状態と○○病とはイコールの関係ではないのです。

 

 

例えば、腰が痛いという「腰痛という状態」で悩まれ苦しんでおられる方がいたとします。

この「腰痛」というのは「○○状態」に当たる状態像を示す言葉です。

この時点で分かっているのは、患者さんが腰が痛いという症状を示しているということです。

この腰痛が何の病気であるかは、確定されていないのです。

腰に痛みを感じる病気は様々ありますね。

「ぎっくり腰」かも知れませんし、「椎間板ヘルニア」かも知れません。

また、骨粗しょう症による「圧迫骨折」を起こしているための腰痛かもしれません。

その他にも、「内臓疾患」でも腰痛を起こすことがあります。

例えば、「胆のう炎」「膵臓や腎臓の病気」でも腰痛が起こる場合があります。

 

このように、腰痛という症状だけでは、病名までは特定できないのです。

腰そのものの疾患であるかもしれませんし、内臓系の疾患のために腰に痛みが現れているのかもしれないのです。

それを突き止めるには、様々な検査をしてその結果から、「腰痛という症状」が「何病」の症状であるかが分かり、確定診断が下せるわけなのです。

 

という風に、考えますと、「抑うつ状態」という症状も、様々な病気の症状として存在するわけで、「抑うつ状態」というだけで「うつ病」とは言い切れないわけですね。

ですから、「抑うつ状態」≠「うつ病」というわけなのです。

 

「抑うつ状態」は「うつ病」以外の精神疾患の症状としても現れますし、精神疾患以外の身体的な病気、例えば、糖尿病やガンなどにも現れる症状です。

 

ですから、もし、あなたご自身が「うつ病」でないかと受診し、その結果、「抑うつ状態」ですと言われたとしても、これは、「うつ病」と診断されたわけではないのです。

そこのところを誤解しないようにして下さい。

 

「抑うつ状態」という言葉を医師が用いる理由とは?

うつ病 分かりやすく

では、なぜ、医師はわざわざ、まだ確定的な診断が下されていない時点で、「うつ病」という病名と誤解を招きやすい症状名である「抑うつ状態」などという症状名を患者に告げるのでしょうか?

「抑うつ状態」と「うつ病」は異なるものではありますが、「うつ病」の1つの症状として、「抑うつ状態」という症状は存在するのです。

ですから、その時点では、「うつ病」であるという確定診断は出来ないけれど、経過を見ていった結果、「うつ病」であったということもあり得るわけです。

ですから、「抑うつ状態」とは仮診断とでも言うべきものなのです。

 

また、最近は、何らかの理由で診断書が欲しいがゆえの「詐病」を装っている人を避けるために、初診の段階から「うつ病」との診断を下すことは難しい問題ですし、第一段階として「抑うつ状態」との診断を下す場合もあるようです。

ですが、逆に、初診で「抑うつ状態」と診断されたから「うつ病」である可能性を全面的に否定されたと理解することも誤りなのです。

つまり、この「抑うつ状態」との診断には、今後、診察を重ねるうちに、「うつ病」との診断に変わる可能性もありますし、「うつ病」でないと完全否定され「抑うつ状態」のままの診断で終わることも考えられるのです。

 

また、「抑うつ状態」とはある意味、悲しい出来事などに遭遇した際に生じる正常な反応であるのですが、性格的に抑うつ状態になりやすい方もいるのです。

そして、その性格の偏りがより顕著な場合は、診断として「人格障害」も医師は考えるわけですが、診断書にそのような診断名を書くこと、そのような診断事実を伝えることに意味が見出せない場合、更に、そのような診断名を診断書に書いた場合に、患者さんが受ける社会的な不利益を考慮して、「抑うつ状態」との診断名にする場合もあるようです。

 

同様に、人格障害でもうつ病でもないのだけれども、「単なる正常な反応で何の病名もつきません」とした場合に、正常な人として正常な扱いでやっていける方は構わないのですが、病名がつくほどではないが、ある程度の周囲のサポートが必要と考えられる場合にも、この「抑うつ状態」という診断名が付けられる事があるようです。

つまり、患者さんを守るための配慮というわけです。

 

このように、「抑うつ状態」とは、仮診断としても用いられますし、色々な配慮などのためにも使われている診断名ということができるでしょうか。

 

この「抑うつ状態」との診断名が、その先、どのように展開していくかは、その後の治療や診察において変わっていく可能性も十分考えられるのです。

 

まとめ

以上のように、「抑うつ状態」と「うつ病」とは異なるものです。

しかし、「抑うつ状態」とは「うつ病」の1つの症状として含まれているものなのです。

 

ということから、「抑うつ状態」と「うつ病」とは別物なのですが、両者に全く関係がないわけではなく、「抑うつ状態」が長引いて、「うつ病」を発症することも考えられるという、非常に、微妙な関係にあるのです。

 

ですが、「抑うつ状態」とは人が日々生活している中ではよく起こりうる正常な反応ですので、世の中に、「うつ病」という病気が広く周知されるようになり、この正常な反応である「抑うつ状態」にあることを「私、うつ(うつ病)になっちゃった!」という方も、少なからずおられるようです。

実際に「抑うつ状態」にある方は、「うつ病」に罹患している方よりも何倍も存在するのです。

ですから、「抑うつ状態」と「うつ病」とは異なるものであるということをしっかりと認識し、私たちが、「うつ」という言葉を、あまり安易に用いないという配慮も、今後、重要なことになると思います。

正常な反応である「抑うつ状態」と「うつ病」とでは、示す症状や状態が大きく異なりますので、「うつ病」の方が、単なる気分の正常反応としての病気として理解されたのでは、立つ瀬がありません。

今現在の世の中は「うつ」という言葉が、あまりに軽々しく使われすぎてしまい、「うつ病」は甘えなどという誤解まで生じてしまっている現状があります。

皆さんも、「抑うつ状態」になることは日常において時にはあるでしょうが、「うつ病」は誰もがなり得る疾患ですが、そう簡単になる精神疾患ではありません。

そのあたりのこともよく考えた上で、今後、「うつ」という言葉を慎重に取り扱っていただければなあと、強く思います。


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