スポンサーリンク

新入社員のうつは新型うつ?それとも甘え?

最近、若い世代の間で、”新型うつ病”という従来のうつ病とは症状の異なるうつ病が多く見られるようになりました。

”新型うつ病”とは精神医学的な根拠に基づいた診断名ではなく、マスコミ用語とでも言えるでしょうか。

医療現場では、これまでのうつ病を”定型うつ病”というのに対し、新型うつ病は”非定型うつ病”の中の1つのタイプと言われています。

このあたりのことについては、以下の記事を、ご参照ください。

参考記事:「急増中?新型うつ病・非定型うつ病の症状と特徴をチェック!」

参考記事:「「新型うつ」は甘え?病院で診断書ってもらえるの?」

そこで、今回は、「新入社員のうつは新型うつ?それとも甘え?」ということについて、考えてみたいと思います。

 

sponsored link

 

確かに、若年者の新型うつ病は増えている!

うつ狸

ここでは、”新型うつ病”を非定型うつ病に含まれるものとして扱います。

そして、その特徴としては、

  • 他罰的である
  • 嫌なことに対してしてはうつになるが、趣味など好きなことには楽しめる
  • 20~30代の若者に多い
  • 過眠、過食傾向を示す者もいる
  • 従来の抗うつ薬が効きにくい
  • 周囲からは”怠け”に見られる

などが挙げられます。

先も書きましたように、新型うつ病という診断は実際の医療現場では使われていないと思われます。

しかし、マスコミ用語としての疾患名であるとしても、この「新型うつ病」の方というのは確かに存在し、近年、増加の傾向にあるのでしょう。

マスコミやネット上には、この新型うつ病の社員の行動に困惑している企業の話などが、チラホラ登場しています。

精神科医としても、この新型うつ病の存在は扱いが難しいのではないでしょうか?

医師としては、患者からの苦しいとの訴えがあれば、それを疑うわけにはいかず、うつ病の1つのとして、患者の治療に当たる責任があります。

近年、うつ病の定義が非常に広くなっているため、うつ病患者数そのものも増加していますし、うつ病としてカウントされる病態も幅広い範囲に及ぶようになっているのでしょう。

医師でない一般の人は、「新型うつ病=甘え」との疑念を容易に抱けるとしても、医師は、なかなか甘えであるから治療対象ではないと、患者を排除することは出来ないでしょう。

しかし、明らかに、現在の「新型うつ病」の存在の曖昧さに便乗した目に余る行為に対しては、医師も毅然とした態度を示してもらいたいものだと思います。

実際に、明らかに健康であるのに、仕事を休みたいがために「うつ病との診断書を書いてほしい」との目的で来院する便乗患者に対しては、毅然とした態度で対応している医師も存在するようです。

では、新入社員のうつが、新型うつ病であるのか甘えなのかは、どのように見分けたら良いのでしょうか?

見分けることなどできるのでしょうか?

 

 

新型うつ病と甘えの見分け方

うつ病 症状 経過

「新型うつ病」という疾患名についての議論は置いておいて、「新型うつ病」という病態は確かに存在するものであると思います。

そこで、新入社員が「うつ」の症状を示した場合、それが「新型うつ病」であるのか「甘え」であるのかですが、素人が簡単に見分けるのは難しいと思われます。

しかし、自ら

 

「私はうつだから○○できない」

「うつだと●●なんだよね」

 

とか病状を自慢するかのような場合は、「新型うつ病」に便乗した「甘え」である可能性が高い気がします。

自責感が薄く他罰的であったり、気分に波があって、会社を休んでいる最中に、旅行に出かけたりという場合もあるようですが、これだけでは「甘え」とは判断できないように思います。

確かに、イヤな場である会社以外のところでは楽しめてしまえるのが「新型うつ病」の特徴ですので。

また、先にも書きましたように、自らうつであるからと休職のための診断書をいきなりもらいに受診するケースは、「新型うつ病」に便乗した単なる「甘え」によるものと判断できるように思います。

 

しかし、現代の若者でなくとも一般の人でも、嫌な場面では「うつ」の傾向を示すことは、ある意味では当然であると思います。

ですが、ここで、多くの人は、自分をコントロールして「うつ」気分を何とかして、会社を休もうとはせず、出社しようと努力するわけです。

ところが、これまでの生きてきた経験の中で、何とかして気分をコントロールしようとしてこなかった、あるいは、コントロールしたことのない若者は、早々にうつ気分であると、

休むしかない

休めば良い

という発想に至ってしまうのではないでしょうか。

イヤなことを我慢するとか、努力して乗り切ろうという気持ちが弱いのではとも思われます。

しかし、これらのことも現代の若者を見ての予測であるに過ぎません。

 

ですから、本当に「新型うつ病」である新入社員であれば、会社のことを考えるとうつになり、苦しくなるのだと思いますので、それを医師が確認できるなら、また、周囲の家族などが、その時のその患者さんの苦しみが伝わり、理解できるなら、「甘え」ではないのだと思います。

また、患者さんである新入社員自身が、自分の症状は甘えでは?との疑念を持つようであれば、それは「甘え」ではなく「新型うつ病」に該当する可能性が高いと思います。

 

「甘え」であれば、自分の都合の良いように病気に便乗しているわけですから、度を越した行為ですとか、理解できる範囲を超えたことを主張したり、行動したりするでしょう。

「新型うつ病」自体が、そのような理解し難い行動を示す傾向をもつ疾患とされています。

しかし、一時的な時間であっても、うつの苦しさを経験しているならば、いつまでも病気の状態にいたいとは思わないでしょうし、良くなりたいと思うのではないでしょうか。

ですから、医療者側、あるいは、会社側から、改善するための方法なり、指示されたことがあれば、それに従おうという姿勢を見せると思うのです。

この時に、反発し、いつまでも、病気の状態にいたいようであれば、疾病利得とでも言うのでしょうか、その方の「うつ」は「甘え」である可能性が高まるのではと思います。

 

まとめ

以上に示しましたように、新入社員のうつが「新型うつ病」であるか「甘え」であるかを見分けるのは非常に難しいものと思われます。

すべての新入社員のうつが「新型うつ病」であるわけもないですし、逆に、すべてが「甘え」であるとも言えません。

社内の新入社員で「うつ」の病態を示す者がいた場合、個々のケースを詳細に把握し、医師とも連携をとって、その「うつ」が「新型うつ病」という病気であるのか、社会経験の不足による単なる「甘え」であるのかをキッチリと見極める必要があります。

それが、新入社員、また、会社側の双方にとってのその後に、大きく影響するからです。

新入社員のうつが「新型うつ病」の症状であれば、このうつ病に対する治療法がありますので、医師の指示に従って、治療を受けることが重要となります。

その場合、このうつ病は定型うつ病の対処の仕方とは異なり、多少の努力を強いなければならないこともあります。

ですから、会社側は、「新型うつ病」の治療はどのようなものであるかという知識や情報も正確に把握しておく必要があります。

新入社員が「うつ」の症状を示したら、この症状がいずれのものであるかを簡単に決めつけることだけはしないようにして下さい。

 

まずは、医師の診断を受けるように指示し、医師の診断結果に従って、その後の対応をするようにしましょう。

また、明らかに「甘え」であるとされた場合は、それ相応の教育をした上で、どのような対応を取るか社内で決められたらよいかと思います。

いずれにせよ、今の精神医療の現状では、病気か甘えかを科学的に判別する方法はないということです。

会社側も大変かと思いますが、ケースバイケースで、誤った対応をしないよう十分注意して、この問題に取り組んでいただきたいと思います。

本当の「新型うつ病」であるならば、うつ状態にあるときの辛さは、定型うつ病と大差ない辛さがあると思われますので。


スポンサーリンク

コメントを残す

CAPTCHA


サブコンテンツ

このページの先頭へ