スポンサーリンク

うつの治療に対人関係療法が効果的?

これまでのうつ病の治療の柱は、抗うつ薬をメインとした「薬物療法」と精神科医が患者さんの話を聞き、不安を軽減することに主軸をおいた「支持的精神療法」の2つであったと言ってよいでしょう。

しかし、実際には、多くの場合、患者数の多さによる診察時間の短さにより、「精神療法」は名ばかりのものとなり、結局は、薬の処方をする時間としての診察・治療となっているのが、実際の状況ではないでしょうか。

このうつ病の治療の二本柱に、最近、「認知行動療法」が新たに加わりました。

この「認知行動療法」は、薬物療法と同等の効果が科学的に認められている精神療法の一つです。

そして、この「認知行動療法」がようやく最近、保険適応の治療法になりました。

そして、うつ病の治療も「認知行動療法」が加わって、3本柱になったかと思っていたところ、この「認知行動療法」に少し遅れて、今度は「対人関係療法」という新たな精神療法が登場してきました。

そこで、まだ「認知行動療法」ほどには、まだ社会的に認知されていない「対人関係療法」とはどんなものなのか、そして、うつに効果はあるのか、と言ったことについて、今回はお話してみたいと思います。

 

sponsored link

 

「対人関係療法」とは何?

うつ病 分かりやすく

対人関係療法(IPT: Interpersonal Psychotherapy)は、アメリカでクラーマン博士等によって開発された精神療法で、アメリカ精神医学会の治療ガイドラインでは、うつ病に対する有効な治療法として位置づけられており、「認知行動療法」と双璧をなす短期精神療法として知られているものです。

日本国内では、まだまだ認知度の低い精神療法であるかとは思いますが、その効果は、かなり期待できるもののように思います。

私自身は、うつ病の治療法としてこの「対人関係療法」の存在を知ったのではなく、自身が一時的に拒食状態に陥った時期に、拒食のメカニズムやその心理などを勉強している際に、拒食症の治療法に有効な精神療法として、この「対人関係療法」の存在を知りました。

そして、この「対人関係療法」についての日本国内での第一人者である水島広子先生の本も何冊か読み、認知行動療法と同様に、長期に渡るカウンセリングは必要でなく、ある意味、短期決戦でその効果が期待でき、その効果がある程度長期に渡って継続するという点にも、強く惹かれました。

また、「認知行動療法」も自分で行うことも可能なように、この「対人関係療法」も自分で実行することが可能であるという点も、大きなポイントかと思います。

では、この「対人関係療法」とは、実際に、どのような考え方に基づく精神療法なのでしょうか?

次項で、少し、簡単に説明してみたいと思います。

 

 

「対人関係療法」とはどのような精神療法?

接し方

読んで字の如く、「対人関係」に注目した精神療法ですが、対人関係と言っても、治療する人に関係のある人を、何層かに分けて考えて、「重要な他者」として位置づける「配偶者、親、恋人、親友」との関係を特に重視し、対人関係がストレスの最たる元と考えます。

そして、この対人関係によって、人の心は大きく左右され、ことに、この「重要な他者」との関係によるストレスが大きいとの考え方をとります。

そして、実際の治療では、この「重要な他者」との「現在の関係」に焦点を当て、さらに、コミュニケーションのパターンなどにも注目することによって、対人関係全般の改善を期待しようというものです。

他の精神療法のように、過去の出来事などを思い起こして、うつ病の原因となる心的葛藤に焦点を当てるのではありません。

そして、この精神療法の特徴的な点として、治療期間を期間限定とした短期の精神療法です。

ですが、その効果は、長く維持されることが研究から確認されているのです。

まだ、この治療方法の漠然としたイメージしか沸かないかもしれませんが、何だか、とても期待を抱かせられる精神療法という気がしませんか?

 

 

どのように作れらた精神療法なのでしょうか?

考えるたぬき

この精神療法は、うつ病の患者さんに治療することを目的に開発された技法というより、それまでの理論や経験的な根拠に基づいて、うつ病患者さんへのアプローチを体系的に明確化する過程で、明らかになってきた技法をまとめあげ、開発されたという経緯があります。

つまり、この「対人関係療法」というスキルを開発することが先にあったわけではなく、それまでに蓄えられてきた膨大な治療に関する情報を体系化していく上で、この技法がまとまってきたのです。

 

ですから、治療に有効と考えられる理論や考えから創りだされた精神療法というよりは、実際に、うつ病治療に有効であったデータから導き出された、うつ病に有効であった治療法を体系的にまとめた精神療法であるのです。

この治療法の効果についても、理論から創りだされ、その技法を用いてデータを集めた上での分析されたのではなく、これまでに治療にも用いられてきたアプローチ法を体系的にまとめあげたものですから、信頼の置ける治療データの方が先にありきで、導き出された精神療法というわけなのです。

というわけですので、治療の有効性についても、大変、客観的なデータを元に科学的に証明されているものなのです。

そういった意味でも、とても、信頼性の高い精神療法といえるでしょう。

 

 

どんな疾患に効果があるの?

ネコポイント

この「対人関係療法」はうつ病の患者さんへの治療法のアプローチを体系的にまとめあげた結果、導き出された技法ですが、うつ病の他の疾患にも応用が効き、例えば、双極性障害、摂食障害、不安障害、パニック障害などにも、幅広く適応されています。

ただし、今現在は、日本国内では、保険適応の治療法ではありません

その他、精神疾患に限らず、日常の対人関係のトラブルの対処法としても、この技法を身につけておくことは有益であると考えられます。

 

 

まとめ

以上のように、「対人関係療法」とは、短期間で結果を残せるとされる精神療法の一つとされ、「認知行動療法」と双璧をなす存在であるとされています。

今後、うつ病の治療も、薬物療法一辺倒ではなくなってきますでしょうし、短時間の診察時間内での支持的精神療法では期待できない効果を望める技法として、「認知行動療法」とともに、ひとつの治療方法として、普及していくものと想像されます。

薬物療法や電気ショック療法などが効かない方にも、この「対人関係療法」の存在は、朗報ではないでしょうか?

また、この精神療法は、自分自身でも行うことが可能とされています。

そのような手法について書かれた書籍も出版されていますので、ぜひ、参考になさってみてください。


スポンサーリンク

2 Responses to “うつの治療に対人関係療法が効果的?”

  1. 明石美智子 より:

    初めまして

    明石です

    対人関係療法について関心があります

    専門家ではないのでセミナーには

    参加できませんが

    本を読み始めました

    勉強させてください

    • 管理人 より:

      明石さん初めまして。
      当サイトをご覧いただきありがとうございます。
      こちらも対人関係療法の専門家ではございませんが、
      より有益な情報を提供できるよう努めてまいります。
      今後もよろしくお願い致します。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ