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うつ病の診断基準であるicdとは?

「うつ病」っていうのは、気分が憂うつで、何をするのも億劫で、漠然とした不安感があったり、食欲がなくなったり、眠れなくなったりするものでしょ?

というふうに漠然と思っている方はありませんか?

そして、このような症状や気持ちがあるから、

 

「私はうつ病なんだわ!」

「私、うつなのかしら…」

 

などと思ったりするのだと思います。

実際、ネット上にも手軽にできる、うつの自己診断チェックリストのようなものも、多数存在し、それをやってみるとやはり、「中程度や重度のうつ」と言う結果が出た。

「やっぱり私はうつなのね」なんていう思考回路で、自己判断したりしていませんか?

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そこで、あなたは何となくでも、うつ病を判断するための基準に

 

「ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)-10」

 

というものがあると言うことを耳にしたことはありませんか?

これは、一体どういったものなのでしょうか?

実際の診察の場面で、どのように使われているものなのでしょうか?

そこで今回は、「うつ病の診断基準であるICD-10とは?」と題して、お話してみたいと思います。

 

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ICD-10とは?

考えるシカ

WHOによって、うつ病などの精神疾患に限らず、あらゆる疾病を分類してまとめられたものに、

 

「疾病及び関連保健問題の国際統計分類 第10版(ICD-10)」

 

というものがあります。
その第5章に「精神および行動の障害」という項目があり、更にその中に、うつ病を診断する項目が含まれています。

これとはまた別に、アメリカ精神医学会が1980年に発表した「精神障害の診断と統計マニュアル第3版(DSM-III)」があります。

これも、年々改訂を重ね、現在は、DSM-Vというバージョンのものが、2013年に発表されています。

この二つの判断基準が、うつ病の分類や診断基準として、主に用いられているものです。

では、実際に、ICD-10では、うつ病はどのように分類され、どのように診断で用いられているのでしょうか?

 

ICD-10の実際の内訳と診断項目は?

ICD-10では、症状が発現している状態のことを「エピソード」と呼び、次のようにうつ病を分類しています。

 

F32 うつ病エピソード

F32.0 軽症うつ病エピソード

 .00 身体症状をともなわないもの

 .01 身体症状をともなうもの

F32.1 中等症うつ病エピソード

 .10 身体症状をともなわないもの

 .11 身体症状をともなうもの

F32.2 精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード

F32.3 精神病症状を伴う重症うつ病エピソード

F32.8 その他のうつ病エピソード

F32.9 うつ病エピソード、詳細不明

 

という8つに分類しています。

そして、これらのどれに当てはまるかは、以下の質問文にどれだけ当てはまるかによって、そのうつの重症度が判定されます。

うつ病の重症度の評価:症状の項目 

○大項目

・抑うつ気分

・興味と喜びの喪失

・易疲労感の増大と活動性の減少

 

○小項目

・集中力と注意力の減退

・自己評価と自信のなさ

・罪責感と無価値感

・将来に対する希望のない悲観的な見方

・自傷あるいは自殺の観念や行為

・睡眠障害

・食欲不振

 

うつ病の重症度の評価:重症度の判定

軽 症:大項目の2つ以上、小項目の2つ以上

中等症:大項目の2つ以上、小項目の3つ以上

重 症:大項目の3つ、小項目の4つ以上

引用元:うつ病の重症度の判定

上記のチェックリストにどれだけ当てはまったかで、重症度が判定され、上に示したF32のいずれに該当するかで診断が下されるという仕組みです。

 

まとめ

以上に示したのが、ICD-10というWHOにより1992年に発表されたうつ病の診断基準です。

これは、概ね10年ごとに改訂が加えられてきましたが、近年の急激な医学の進歩に対応するために、日本では「ICD-10 2003年準拠版」が平成18年より提供されています。

この際、うつ病を含む、第5章の「精神および行動の障害」に関する部分での改訂は行われていないようです。

このICD-10は、身体疾患等すべての疾病を対象にしたもので、日本における公式統計は、このICD-10を基準に作成されています。

ICD-10と先に少し触れましたDSMという診断基準によって、うつ病についての診断が下されることになっています。

 

しかし、近年、このようなマニュアル化された基準が出来たことで、若い医師たちが、この基準にのみ照らし合わせて患者を診断・分類しようとする傾向に、疑問を呈する声がベテラン精神科医間でも上がり、活発な議論が展開されているようです。

実際の診察の場面では、上に示した項目が一つ一つ質問されてチェックされるようなことはなく、これらの基準は、精神科医の頭の中にしっかりと刻み込まれ、診察の際に、医師は患者またはご家族との対話の中から、そして、医師は患者が診察室に入ってきた時からそのしぐさや視線、口調など様々な部分をさり気なく常に観察しているようで、そのような自らの肌で感じたものも含めて、ICD-10などの基準とも照らし合わせ、総合的な判断をして、最終的な診断を下しておられるように感じます。

パッと見には、ネット上にある自己チェックリストのようですが、医師の使い方は、このような質問項目を質問したり、紙にアンケートのようにして情報を得て、使用するものではないように思います。

あくまで、医師の頭の中にインプットされた分類基準の1つであるとの認識程度で良いのではと思います。

ただ、障害年金などの診断書を書く際には、その病名をこのICD-10による分類に基づいての記入が求められるようで、うつ病ですとF3ですとか、統合失調症ですとF2などの記載がされ、そのような際に用いられる記号のように思っておられても良いかと思います。

あくまで、ICD-10は、WHOが定めた疾病を分類するための基準書だと捉えて下さい。

この基準のみで、重度と出たから即あなたは重度のうつ病ですなどとの診断はしていないということが、実状であるということは認識しておいて下さい。


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