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うつ病などの精神疾患を再発させてしまう要因とは?

うつ病を初めとした精神疾患を持つ方にご家族が接する際、気をつけなければ、その疾患の再発を高めてしまうという接し方があります。

その接し方を示す言葉として、「高EE」というものがあります。

この言葉は、当初、統合失調症の患者さんに対するご家族のある態度を表すものでした。

しかし、近年、この「高EE」の接し方は、統合失調症のご家族だけに当てはまるのではなく、うつ病、認知症、神経症などの他の精神疾患の患者さんをもつご家族にも当てはまることが、研究によって明らかにされました。

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「高EE」って何? 再発率を高めてしまう悪いものなの?

うつ病 症状 接し方

高EEの「EE」とは、Expressed Emotion の頭文字から来ています。

EEとは日本語にすると、「感情表出」ということになります。

つまり「高EE」とは、

  • 感情表出が高い
  • 感情表出の仕方が強い

ということを示します。

「感情表出」とは、読んで字のごとく、感情の表し方(表情,口調,態度など)のことです。

精神疾患を抱える患者さんに対して、強い感情表出がなされることを「高EE」と言い、これは再発率を高める1つの要因と見なされています。

より詳細に見ると、この高EEは、次の3タイプに分けられるとされています。

  1. 批判的な感情表出
  2. 敵意のある感情表出
  3. 患者さんの言動に左右され(巻き込まれ)すぎ

の3タイプです。

それでは1つずつ具体的に見ていきます。

1.批判的な感情表出

批判的な感情表出とは、

「何もしないで寝てばかりいて…」

「いつまでダラダラした生活しているの!」

など、批判的な発言や態度を示すことです。

 

2.敵意のある感情表出

敵意のある感情表出とは、

「あなたなんていなければ良いのに」

「あなたの病気のせいで私の人生が台無しよ!」

などと患者さんを敵視して攻撃するような感情や態度を示すことです。

また、患者さんを無視する」ことも含まれます。

 

3. 患者さんの言動に左右されすぎ

3)の患者さんの言動に左右されすぎることは「巻き込まれ」とも言いますが、上記の2つとは全く逆の態度を示すことですが、患者さんにマイナスの影響を与える感情の表し方とされています。

例えば、

「私がいないと何も出来ないから、私が守ってあげないと…」

と、過保護、過干渉な態度を示すことです。

 

ここで、統合失調症を対象とした研究結果ですが、高EEと低EEの場合の再発率を示したグラフをご紹介します。

※図表をクリックすると、拡大表示されます。

高EEと低EE比較図(統合失調症)

引用元:すまいるナビゲーター双極性障害 すまいるレポートより

 

上のグラフは、統合失調症の場合の調査結果ですが、高EEがどれほど再発率を高めるかがつかめたかと思います。

 

うつ病の患者さんというのは・・・

うつ狸

高EEとは再発を高める好ましくないものとされています。

殊に、うつ病の患者さんは、その病気の持つ特徴から、体調が優れないときは、些細なことが非常に気になり、その一つ一つのことの原因が自分にあるのではと、非常に自責的になっていたりするものです。

例えば、自身の体験で言いますと、私の体調が悪いときは家族の機嫌も悪く、

「私が何も出来ずに寝込んでいるせいだ…」

とか、階下で大きな音を立ててドアが閉められると、

「私の体調の悪さに腹を立てているからだ…」

などと、全部自分が悪いせいだという解釈に至ってしまうのです。

 

病状が少し回復してくると、そのように思ったのは自分の考えすぎだったかななどとも思えるのですが、調子の悪いときはそのようなことは考えられません。

「ああ、また怒っている、機嫌が悪い。全部、私のせいだ…」

という思考回路になってしまうのです。

 

このようなところから見ても、ご家族が意識的でないにしても、高EEの態度を示すことは、患者さんの症状悪化や再発につながると言うことが、容易に想像されるかと思います。

また、状態が思わしくないときに、側で一緒に不安がられると、不安が余計増大してしまいます。

うつ病の患者さんというのは、体調の悪いときには、より高EE的な態度に非常に影響を受けやすいというわけですね。

 

高EEの関係を改善・修復するには?

うつ病 分かりやすく

では、この高EEの関係を改善するにはどうしたら良いのでしょうか。

ご家族が出来ることと、患者さんが出来ることに分けて考えてみましょう。

 

ご家族が出来ること

まずは、このような

①高EEという態度を示すことは、再発させる要因になるということ

を理解しておくことが第一歩であると言えます。

そして、

②高EE的な態度を極力示さない

ようにしましょう。

 

とは言え、日常生活を送っている上で、ご家族にもそれぞれの生活があるわけですし、うつ病患者さんを抱えていることで、必然的に、負担も増えているわけです。

そのような状況にあってはストレスもたまり、気をつけていても、つい高EE的な態度をとってしまう、とってしまったと、後になってから思うこともあるでしょう。

一気に良いご家族に変身する必要はないのです。

少しずつで良いのです。

たまには、失敗することもあるでしょう。

 

ですから、まずは高EE的態度は良い結果を招かないことを認識し、

③ご家族自身もストレスをためないよう、ご自分の時間もキッチリと確保して、ストレスを適宜発散

されることをオススメします。

そして、

④使える制度などは利用する

ことです。

うつ病の患者さんが一家の大黒柱であった場合、生活費の稼ぎ手がいなくなってしまうわけですから、生活が大変になります。

それを補うために、利用できるのであれば、生活保護や障害年金などについて検討してみることも有用なことと思います。

とにかく、一人で抱え込まないことも大切です。

 

患者さんが出来ること

高EE的態度を示すのは家族なのだから、患者さんが出来ることなんてあるのかと思われるかも知れませんが、家族関係は、家族の構成員全員で作り上げるものです。

ですから、高EE的態度を修正してもらうには、患者さんもそれなりの協力や努力をする必要があると思われます。

自分は患者であって、家族のことなど構っていられないなどとお考えの方もおられるかも知れません。

しかし、結局、高EE的態度をとられることによって影響を受けるのは、患者さん自身です。

再発防止につながるのですから、患者さん自身も、自らの行動を見直していきましょう。

 

具体的には、患者さんは、

①ご家族に感謝の気持ちを忘れずに

いることです。

そして、毎回でなくても良いと思います。

感謝の言葉、

「ありがとう」

「いつも悪いね」

などの言葉がけをすることです。

 

それと、ご家族にもご自身の時間を大切にしてもらうよう話をし、時には、「食事にでも行ってきたら」とか「友人と会ってきたら」など、具体的に

②ご家族が自身の楽しむ時間を持てるよう気遣うこと

も大切になります。

 

まとめ

今回は、うつ病を含む精神疾患の再発を高める一要因と言われている「高EE」という概念について、お話ししました。

言われるまでもなく、この「高EE」的態度を示され、家族が高EE的であったら、うつ病の再発が高まるというのは想像するに難くないことと思います。

ですから、再発予防のためにも、このような高EE的態度を取らないよう、ご家族も改めて認識し、自らの示す態度に気を配るようにしましょう。

 

そして、患者さんの方も、ご家族との良好な関係を保つことは、ご自身の体調の維持に大きく関係することです。

ご家族への感謝の念を忘れることなく、出来る範囲でねぎらいの言葉をかけるなど、気遣いを示しましょう。

うつ病を再発予防するためには、ご家族の力も大きいのです。

そのことを改めて認識して、再発することのないよう良好な家族関係の元での生活を送れるよう心掛けていきたいものですね。


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