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抑うつ状態とうつ状態の違いは?

昨今、こころの不調を表す言葉として、最も一般的に用いられるのは「うつ」や「うつ病」という言葉ではないでしょうか?

この記事を読まれているあなたも、ご自身が

「うつ」や「うつ病」では?

とのご心配があって、調べているという状況かもしれませんね。

 

色々と調べているうちに、

「うつ病」

「うつ状態」

「抑うつ状態」

など似通った言葉が出てきて、どこがどう違うの? とよく分からなくなって、混乱気味になっている方もおられることでしょう。

 

そこで、今回は、この似通った用語のうち、『「抑うつ状態」と「うつ状態」の違いは?』と題して、うつ病理解の第一歩ともなるであろうこれらの言葉について、整理してみたいと思います。

そして、この2つの語を理解していく際には、

「うつ病」

「うつ状態」

「抑うつ状態」

の3つの言葉が特に混乱を招くものと想像されます。

ですので、まず初めにそれぞれの言葉の使い分けについて紹介していきます。

 

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まず基本中の基本、「うつ病」≠「うつ状態」であることをおさえましょう!

プレゼンテーション時のイラスト002

以前、他の記事でも書きましたが、医療の場面で

「あなたはうつ病ですね」

と言われたのと、

「うつ状態ですね」

と言われたのは、同じことではないということをしっかりと抑えておきましょう。

「うつ病」というのは、列記とした精神疾患の1つの病名です。

正式(ICDやDSMにおいて)には、「うつ病」は「気分障害」と言われる精神疾患に含まれるものです。

うつ病の診断基準であるicdとは?

うつ病の診断基準であるdsm-5とは?

 

これに対し、「うつ状態」というのは、病気の名前、つまり、病名ではなく、症状を表した言葉です。

理解しやすくするために、「腰痛」を例に考えてみましょう。

「腰痛」というのは割に多くの人が体験したことのあるものだと思います。

しかし、この「腰痛」という症状を持った方が皆、すべて同じ病気でないということはお分かりですね。

つまり、「腰痛」とは病名ではないのです。

 

「腰が痛い」と言う症状が起こっていますが、その原因は人それぞれなのです。

運動不足で腰周囲の筋力が落ちているために腰が痛い場合もあるでしょう。

また、腰椎にある椎間板が後背部にはみ出し、「腰椎椎間板ヘルニア」という病気であるための腰痛かもしれません。

はたまた、ご高齢の方ならば、ちょっと転んだだけで、骨粗鬆症のために腰の骨が折れてしまい、そのために腰痛が起こったのかもしれません。

このように、「腰痛」の原因には様々な病気が考えられる訳なのです。

つまり、「腰痛」とは「腰が痛い」という症状を示しているに過ぎないのです。

 

これと同様に考えてきますと、「うつ状態」というのも、症状名の1つのなのです。

「うつ状態」とは、「うつ病」の中の1つの中核的な症状でありますが、その他の精神疾患である統合失調症や認知症などでも起こり得る症状でもあるのです。

また、精神疾患に限らず、他の病気でも「うつ状態」に陥ることはあります。

例えば、「ガン」や「糖尿病」、「甲状腺ホルモン疾患」などでも生じる症状でもあるのです。

 

ですから、「うつ状態」と言われたと言う段階では、うつ病などに見られる「うつ状態」という症状はあるけれど、

まだ何の病気の結果として生じているうつ状態であるかはまだ分かりませんよ

と言うことなのです。

ということで、ここでは、「うつ病」≠「うつ状態」ということをしっかりと頭に入れておいていくださいね。

昨今の医療現場では医師の忙しさ、あるいは、医師の怠慢とも言えるとも思いますが、「うつ病」と「うつ状態」の違いまでなかなか時間を割いて説明して下さらない場合も多々ありますので。

 

では、「抑うつ状態」と「うつ状態」って同じことなの?

うつ病 症状 接し方

そこで、ようやく本題である「抑うつ状態」と「うつ状態」という言葉について見ていきたいと思います。

結論から言えば、現在、この2つの言葉はほぼ同義として用いられていると考えて差し支えないと思います。

「抑うつ状態」という言葉を字義どおり解釈すると、「うつ」を「抑える」ということだから、「うつ」の反対の状態を表しているのかしら?

と思われる方も中にはおられるかとも思います。

しかし、これは誤りです。

「うつ(鬱)」の反対は「躁(そう)」と言います。

 

ですから、

「抑うつ」=「うつ」

であって、

「抑うつ」≠「躁(そう)」

なのです。

この点は、しっかりと区別しておきましょう。

 

ですが、一般的に私たちが通常用いるのは、「うつ」であって「抑うつ」ではないように思います。

例えば、

「今日はちょっと”うつ”なの…」とは言うことがあるかと思いますが、

「昨日からちょっと”抑うつ”で…」とはあまり言いませんよね。

 

簡単に言ってしまえば、一般的には「うつ(うつ状態)」が多用され、医学的場面においては「抑うつ(抑うつ状態、抑うつ気分)」が用いられることが多いと言うくらいの認識で良いのではないかと思います。

 

少し細かい精神医学の専門的な話になりますが、この「抑うつ」には、

「抑うつ気分」

「抑うつ状態」

の2つがあるようです。

「抑うつ気分」とは、文字通り、気分が「うつ」ということで、具体的には次のような気分が含まれます。

  • 憂うつになる
  • 気分が沈む
  • 落ち込む
  • むなしい
  • わけもなく涙が出てくる
  • 何をしても楽しく感じない

など。

「気分」という言葉が付いていることから、ちょっとした気の持ちようの問題のような軽い印象を与えてしまうかも知れませんが、この「抑うつ気分」というのは「抑うつ」の中核をなすものとも言えます。

決して、気の持ちようで改善・変化するような意味で使われているわけではありません。

いわゆる日常的に用いられる「気分」とは違うものですので、この点はしっかりと認識して下さいね。

 

そして、この「抑うつ気分」に更に、様々な精神機能の低下が伴う場合が「抑うつ状態」と言われるようです。

どのような状態が加わるかと言うと、

  • 記憶力が落ちてくる
  • うまく頭が回らない
  • やる気が出ない(意欲が湧かない)

などがあげられるでしょうか。

参考サイト:「カウンセリング 森のこかげ」 より

 

以上のように、「抑うつ」=「抑うつ気分」+「抑うつ状態」とご理解下さい。

そして、先にも書きましたように、「抑うつ状態」と「うつ状態」は、ほぼ同義として用いられているのが実状です。

現在、

医療現場以外で「抑うつ」と用いられる際には、「抑うつ気分」と「抑うつ状態」の両方の意味を含んだものとして用いられている。

と考えておけば良いのではと思います。

そして、「うつ状態」と「抑うつ状態」はほぼ同義として用いられているということから、「うつ状態」という語には、うつの気分とその気分に伴って生じる思考や意欲などの精神機能の低下も伴った状態と考えられるということです。

 

まとめ

この「抑うつ状態」「うつ状態」という言葉についてまとめますと、意味的には、ほぼ同じ意味の言葉として用いられている、用いて差し支えないと言うことです。

ただこれは一般社会においての話です。

友人と話をする際や日常会話の中では、この二語をあえて区別する必要はあまり意味がないでしょう。

また、より一般的に言えば、「抑うつ状態」というより「うつ状態」という言葉の方が一般的な馴染みのある言葉になっており、通りも良いと言えるでしょう。

 

これに対し、精神医学的場面おいては、「抑うつ」、つまり「抑うつ状態」や「抑うつ気分」の方が多く使われている、あるいは、こちらの方が正式な医学用語と言えるのかも知れません。

いずれにしましても、この「うつ」と「抑うつ」には一般的には大きな違いはないと言うことです。

しかし、精神医学の専門家である精神科医は、「うつ」という言葉より「抑うつ」という言葉の方を多用する傾向はあるかも知れませんね。

このあたりの微妙な違いを何となく理解して、この2つの言葉を捉えておくことが肝要なのではないかと思います。


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